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逆説ではない「しかし」

特許事務所から納品された明細書をチェックしていて、気になるのが、「逆説ではない場所に”しかし”が使われている」ことです。

典型的なのは、「発明が解決しようとする課題」の冒頭が「しかし・・・」で始まっているケースです。

以下に、よくある明細書の流れを挙げます。

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(例)
① 従来、Aという技術があった。
しかし、AにはXXの問題があった。
③ そこで、本発明ではXXを解決することを課題とする。

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上記の①と②を 「しかし」 でつなぐことは正しいのでしょうか?

「Aという技術(の存在)」 と 「Aという技術に何らかの問題があること」 は、逆説の内容ではないですね。
ですから、「しかし」でつなぐのは本来は間違いです。

上記の例では、「しかし」は不要なのです。
文頭に何か接続語を入れたいなら、「ところで」くらいでよいでしょう。


日本語では、話題を変える時に「しかし」が使われることがあり、上記の例もその程度の意味合いと思われます。
ありがちな用法なので、日本語で読むときにはさほど違和感はないかもしれません。

しかし、逆説でない「しかし」は、翻訳されて「however」となったときに、強烈な違和感が生じます。
なぜなら、英語の「however」は、非常に強い逆説の意味を含むからです。

優秀な翻訳者は、文章の意味を見極めて、逆説でない「しかし」は訳出しないようにしていると思います。
しかし、一般的な翻訳者は、日本語に「しかし」があると、機械的に「but」や「however」と訳してしまいます。
そうして、意味のつながらない英文ができあがってしまうのです。

明細書チェックのとき、わたしは、「この"しかし"は削除してください」と代理人に指示します。
理由も伝えるようにしていますが、あまり改善はされません。

明細書を書く方は、少し意識してもらえるとよいと思います。

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プロフィール

izumi

Author:izumi
地方の企業知財部で働く新米弁理士です。
2017年に弁理士試験合格、2018年に弁理士登録。
弁理士試験のことや、知財ネタを書いていきたいと思います。

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